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ループス腎炎の症状と治療について


ループス腎炎は、免疫機構の異常で起きる膠原病(SLE)が発病することで起こる疾患です。膠原病では、全身の結合組織に病変が生じ、障害された臓器に様々な症状が現れますが、ループス腎炎等の腎臓のトラブルは、60%〜80%の率で起こります。


主な症状は、蛋白尿、血尿、むくみや高血圧です。多量の蛋白尿が出ると全身にむくみが現れます。自覚症状には個人差があり、自覚症状をほとんど感じない人から、尿毒症の激しい症状が現れるケースもあります。


治療を開始した時に、比較的早く症状が治まる人もいれば、何度も再発をする人もあります。腎機能が急激に悪化してしまい、透析を受けなくはならなくなる人もいます。


ループス腎炎の治療は、原因となっている膠原病の治療を優先的に実施し、同時に腎機能の低下を抑えるための治療が行われます。ステロイド剤によって免疫の作用を抑制し、抗DNA抗体の発生を抑えます。


長期間にわたってステロイド剤を使用します。重症の場合は、パルス療法と呼ばれる、集中的投与と休止の期間を設ける療法が行われます。症状が再発しないように最低限の量の薬を服用しつづける場合もあります。


ステロイド剤を使用しても尿中の蛋白が減らない場合や著しい腎機能の低下が見られる場合は免疫抑制剤が使用されます。又、血圧が高い場合は降圧剤、むくみが出ている場合は利尿剤、血栓ができやすくなっている場合は、抗凝固剤が使用されます。


血漿交換と呼ばれる治療法は、血中から抗DNA抗体を除去する治療法です。透析療法と同様の医療機器を使用して血液から抗体を除去していきます。



 

多発性嚢胞腎の症状と治療について


多発性嚢胞腎は、左右の腎臓に液体のたまった嚢胞と呼ばれる袋が無数にできる疾患です。病気の進行に伴って嚢胞が大きくなると腎臓の組織が圧迫され、次第に濾過能力が衰えて腎機能が低下して、腎不全に至ります。


嚢胞のサイズが小さい時には、自覚症状はほとんど見られません。嚢胞のサイズが次第に大きくなってくると腰痛、血尿、高血圧などが現れ、腎盂腎炎や尿路結石、尿路感染など合併しやすすなります。


嚢胞が時間をかけて大きくなり、腹部を手で触っても腎臓の有無をハッキリ確認できるようになりますが、こうした状態まで、大きくなってくると腎機能は次第に低下していきます。


嚢胞は腎臓だけに限らず、肝臓、膵臓、卵巣、精巣等、他の臓器に現れるようになる為、身体全体に影響を及ぼすようになります。動脈瘤や心臓の弁の異常などを合併することも多く、多発性嚢胞腎の6割に高血圧の症例が見られます。


多発性嚢胞腎は遺伝が大きく関係する病気です。過去に両親や兄弟で、多発性嚢胞腎にかかった人がいる場合は、病気を起こすリスクがあるので注意が必要です。特に自覚症状がない場合もでも、腎臓の検査を定期的に受けるようにしましょう。


現段階では、多発性嚢胞腎の治療法はありません。なるべく病気が進むスピードを遅くさせ、腎不全へ進行しないようにする治療が中心になります。


高血圧の管理や血圧のコントロールを行い、感染症になった場合には早期に抗生剤による投与や治療を行います。治療にあたっては、食事療法を中心とした生活習慣の管理を行って、できるけ腎臓への負担を軽減することが大切になります。

 



 

慢性腎臓病の症状の注意点について


慢性腎臓病は、腎機能の低下、すなわち、血液の濾過を行って尿製造の働きが低下している状態。糖尿病や高血圧などの生活習慣病、それらの病気が進行して現れてくる糖尿病性の腎症や腎硬化症などが原因となる病気です。


腎機能の働きが悪くなってもかなり進行しないと症状はでてきません。血液の濾過が正常に行かなくなってくると、老廃物や水分が排泄することが困難になり、その為、むくんだらい血圧が高くなったりします。


慢性腎臓病は、早期の発見と対処が必要です。必要な検査を行って、腎機能の状態を把握しておくことが大切です。血液検査の指標では、クレアチニンの数値を調べます。尿検査は、尿蛋白や血尿の数値を調べます。


クレアチニンは、筋肉で製造されますが不要になると糸球体から排泄されますが、腎機能が低下してくると血中のクレアチンの値が高くなります。血尿がでていたり、蛋白の量が多くなると腎臓の働きがわるくなっていきます。


朝一番の尿を見て、茶色をしていたり、泡立った尿のまま、30秒経過しても消えない場合は、一度専門医で検査してもらうことも必要です。慢性腎臓病で必要な治療は、生活習慣を改善と薬物療法になります。


塩分やエネルギー分のコントロール、タンパク質や脂質の摂りすぎには注意することが大切。薬物療法では、血圧のコントロールが主になります。



 

ネフローゼの原因と治療について


ネフローゼは、尿からタンパク質が排出されていしまい、低タンパク症をおこし、カラダに様々な不調な状態を起こす病気です。体全体に起こるむくみから症状がはじまり、おしっこの量が減ってきたり、だるさを感じるようになります。


むくみは、足にでやすく、靴下を脱いだ後のゴムの跡、足の甲を軽くおしただけで、くぼみ、そのくぼみが元にもどってきません。むくみがひどくなってくると、お腹や肺に水がたまるようになります。


低血圧になりやすく、濃い色の泡立ちがいい尿がでてきます。ちょっとしたことで疲れやすく、カラダ全体のバイタリティがなくなってきたら、ネフローゼの疑いがあります。


腎臓の濾過機能の低下が原因です。腎臓そのものの障害から起こる場合と、他の病気の症状として現れる場合があり、関連する病気には、糖尿病や膠原病、他の臓器に出来た腫瘍、アレルギー、心不全などの心疾患があります。


ネフローゼの治療の基本は、安静にすることです。そして、食事療法と薬物療法を併用して行われます。薬は、利尿剤の飲用で、症状に応じて、ステロイドの使用も行われます。


食事療法は、タンパク質や塩分、そして、水分の制限を行って、体重1キロあたり、35kカロリーの食事量を目安に行われます。日本でも動物性タンパク質や脂肪の過食などにより、腎臓の疾患を抱えている人が増えています。


現在のところ、日本でのネフローゼの発症率は、10万人に15人の確率とされています。



 

腎不全のタイプと治療法、対処法


腎不全は、腎機能の低下からカラダに溜まった老廃物が排泄できなくなる疾患です。肝腎要の臓器が腎臓です。老廃物のろ過がスムーズにいかなくなると、汚れた環境を体内につくることとなり、カラダ全体にトラブルを起こすこととなります。


健常者では、一日に1リットル〜1.5リットルの尿を排泄します。腎不全になると尿が出なくなるため、水分が過剰になることから、血液の量が増加し、肺や心臓に負担がかかり、高血圧や心不全の原因になります。


老廃物の蓄積は、食欲の減退から始まり、吐き気や嘔吐といった症状が現れるほかに、脳が障害を受け、痙攣や意識障害などの症状がでてくることもあります。


腎不全は、急性のものと慢性のものがあります。急性のものは、急激に症状が現われますが、腎不全の原因となっている、薬の副作用や結石などの処置が適切に行われることで、回復します。


数か月から数年かけて徐々に悪化する慢性のものは、慢性腎炎から移行するケースが多いとされていましたが、糖尿病の合併症から、悪くなっているケースも増えています。


慢性腎炎の場合、その対処法として、食事療法で、タンパク質の摂取や塩分などの量に気を配ることがされていますが、症状が更に重くなっている場合、人工透析や臓器の移植が必要になることがあります。






 

腎臓の病気記事一覧

  • ループス腎炎の症状と治療について
  • 多発性嚢胞腎の症状と治療について
  • 慢性腎臓病の症状の注意点について
  • ネフローゼの原因と治療について
  • 腎不全のタイプと治療法、対処法