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ネフローゼ症候群の治療と食事療法


ネフローゼ症候群は、蛋白質を含んだ尿が多量に排出される事から血中の蛋白質の量が少なくなり、その為、血中の蛋白質が減少している状態の事を言います。血中の蛋白質が減少すると高度のむくみが生じます。


蛋白質を補うために、高蛋白食を多めに摂ることが、以前はすすめられていましたが、蛋白質が消化される過程で生まれる窒素化合物が、腎臓の糸球体や尿細管に余分な負担をかける事で、逆に腎臓の働きを悪くすることがわかってきました。


その為、現在では蛋白質の摂取を減らす食事療法が行われています。特に蛋白質を摂る量を制限されているのは、薬で治療を行ってもあまり効果が現れないタイプのネフローゼ症候群です。


蛋白質摂取の食事療法では、少量の蛋白質でも栄養的な価値が上がるように、アミノ酸スコアの高い良質のものを選ぶ事が大切になります。


ひどいむくみが生じている場合は、適度な塩分制限が必要です。但し、治療で、ステロイドや利尿剤を使用している場合は、塩分制限を行う事で、低ナトリウム血症、低カリウム血症などを引き起こす事もあるので注意が必要です。


1日に摂取する塩分は、3g以下に制限する事と水分量にも制限が加わります。むくみの状態が改善されると、塩分の制限もゆるやかになってきます。


ネフローゼ症候群は、脂質異常を伴う事から、動物性蛋白質を摂る時は、なるべくコレステロールの少ないものを選ぶ事が大切になります。


体温の高い動物の脂肪分は、体温が動物よりも低い人のカラダの中では、固まりやすく血液やリンパの流れを悪くします。脂質異常症を進行させないためには、飽和脂肪酸を控え、不飽和脂肪酸をとることがすすめられます。


脂は、酸化しにくい、αリノレン酸系の脂、エゴマ、シソ、亜麻仁の脂を摂るようにしましょう。低蛋白食を実施している場合は、適正で十分なエネルギーをとることも重要です。穀類、イモ類、砂糖、油脂などで、必要なエネルギーを補給します。


 

 

慢性尿細管間質性腎炎の原因と特徴について


慢性尿細管間質性腎炎は、尿細管間をつないでいる間質部に炎症が起こる腎臓疾患です。以前は間質だけが障害を受ける疾患と考えられていましたが、尿細管の障害も関係していると考えられています。


尿細管と間質に変性、壊死、炎症などが、慢性的に経過します。進行の過程でもほとんど自覚症状はありません。さらに炎症が進むと間質の繊維化から尿細管の機能が悪化していきます。


本来、尿細管は、必要なものを吸収して、不必要なものを排泄する仕事を部位ごとに分担して行っています。尿細管に障害が起きると、身体にとって必要なものまで排泄されてしまいます。


原因は、慢性腎盂腎炎から起こる感染症が特に多く、鎮痛薬を長期にわたって多量に服用することから病気になる場合もあります。また、少量の重金属を長期間にわたって摂取することで発症することもあります。


腎臓疾患でありながら尿検査では、蛋白尿や血尿などの異常が見られないのも特徴。血液検査では血清クレアチニンや尿素窒素の異常は見られますが、他の数値については特に異常が見られない事もあります。


尿細管や間質の炎症が進むにつれて、栄養素の再吸収時に障害が見られるようになり、ブドウ糖、アミノ酸など尿から排泄されるようになってきます。


慢性尿細管間質性腎炎については特別な治療はありません。間質性腎炎に関係する病気の治療と併用して、腎臓の機能が低下しない処置が行われます。多くのケースでは、時間の経過とともに末期の腎不全に至ります。



 

慢性腎盂腎炎の原因と治療について


慢性腎盂腎炎は、腎盂と腎実質に炎症が起こる疾患です。尿道から侵入した大腸菌等の細菌感染が主な原因になりますが、感染を繰り返す事で慢性化し、腎機能低下から腎不全へと進行する事もあります。


自覚症状を感じる事なく進行する人もいれば、急性腎盂腎炎から慢性化へ移行する人もいます。発熱や悪寒などの症状があっても、腎臓疾患に気づかず、風邪の症状と思い込み、発見が遅れるなどのケースもあるので注意が必要です。


急激な高熱、感染ヶ所の背部や腰を押すと痛みを感じるのが急性の腎盂腎炎ですが、慢性では発熱がない場合が多く、痛みの部位がはっきりしません。長期に及び感染が続く為、熱が上下する事もあります。


慢性腎盂腎炎は、尿路閉塞、腎臓結石、膀胱から尿管への尿の逆流に関係する病気を持っている人は起こりやすくなる疾患です。急性では、大腸菌の感染が主になりますが、慢性では、真菌や結核菌の感染から起こる事もあります。


尿検査を行うことで慢性腎盂腎炎の診断がつきます。腎臓に細菌感染があると、尿に白血球がまじって濁ったように見えます。尿中の白血球は、顕微鏡検査でも認められます。又、尿検査を行う事で、感染を起こしている原因菌の特定もできます。


炎症が長期にわたると腎機能の低下から、腎不全へと至ってしまうので、炎症を抑える為、早期に抗生物質による投与を行います。また、安静、保温のほか、なるべく多くの水分補給を行う必要があります。


結石や前立腺肥大(男性)が原因となって、尿通過障害を起こし、炎症が慢性化している場合は、結石を除去、前立腺肥大の場合は、薬物療法や前立腺除去の治療が行われます。

 



 

水腎症の原因(後天的)と治療について


水腎症には、先天的なものと後天的ものがありますが、後天的なものの原因に尿路結石があります。尿路結石になると激しい痛みが突然起こってきますが、痛み止めの薬を飲むことで対症療法的な対処をとる場合があります。


但し、薬を使用して痛みがひいたからといって、結石が良くなっているわけでなく、そのまま結石が体内に残ったままになっていると、水腎症を起こす率が高まります。


水腎症は、腎盂や尿管、膀胱などの尿の通り道のどこかで尿の流れが妨げられ、逆流した尿で腎臓が膨らんでしまった状態の事を言います。


急性と慢性の二つのタイプがありますが、短時間のうちに尿路がふさがってしまう事で起こる急性の水腎症では、腰や脇腹、下腹部の周囲に激痛を伴った症状が断続的に起こります。


反対に、慢性の水腎症で、ゆっくりと病気が進行する場合は、腰や脇腹、下腹部の周囲に激痛でなく、疼いたような痛みや不快感が現れてきます。溜まった尿に細菌感染を起こすと発熱したり痛みが激しくなったります。


尿路結石は、後天的な水腎症の中で最も多いものですが、前立腺がんや膀胱がんなどの泌尿器のがんや、他の臓器がんの浸潤や子宮内膜症などの婦人科系の病気から、尿管が閉塞されてしまう事もあります。


水腎症の治療では、皮膚から針を刺したり、尿道から溜まった尿を取り除いた後、原因となっている疾患の治療を行い尿管内の尿の流れを良くする処置を行う事が主になります。


治療が遅れると腎臓にかかる負担が徐々に増し、最後には腎機能が失われることもある恐ろしい疾患が水腎症です。腎機能が喪失すると臓器を摘出しなければならなくなる為、早めの治療が必要です。





 

腎血管性高血圧の原因と治療や対処法について


腎血管性高血圧は、腎臓の動脈の一部が狭くなる事で、血液の流れが悪くなり腎臓へ必要な酸素や栄養が届きにくくなることから起こる二次性の高血圧になります。血圧が異常に高くなる為、毛細血管の多い器官に障害を起こしやすくなります。


原因としては、女性の場合は、大動脈炎症症候群になる事で血管が狭くなることから起こり、高齢者の場合は男女を問わず、動脈硬化が進行した事で腎臓の動脈が狭くなったために起こる事が多いようです。


腎臓に供給される血液量が少なくなる事で、レニンと呼ばれる酵素が不足するため、腎臓側でレニンという酵素が余分につくられる事から、血圧が異常に高い状態を招く事になります。


血圧が高くなって高血圧の症状を起こします。腎血管性高血圧の場合は、降圧剤が効きにくい傾向にあり、拡張期血圧が高くなります。


検査により、腎臓の血管が狭くなっていることが見つかったら、バルーンカテーテルによって血管を拡張したり、金属性の筒を血管内に植え込むステントを行ったり、狭まっているヶ所を手術して切除する治療が行われます。


治療法の選択は、部位、症状の程度、狭窄を起こしている原因や年齢等を考慮して選択されます。外科的治療が難しい場合は、薬物療法でのACE阻害剤やβ遮断剤を使って血圧をコントロールしていきます。


高血圧ではカリウムが血圧抑制因子として作用する事がわかっているので、カリウムを多く含有している果物や野菜などを食べるようにしましょう。但し、腎不全を起こしている人の場合は、カリウムの制限が必要になります。


高血圧一般に言われていますが、食塩の摂取は、特に腎臓に負担をかけてしまうので注意が必要です。




 

腎臓の病気記事一覧

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  • 慢性尿細管間質性腎炎の原因と特徴について
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